その資格はない。
エルデンリングの発売日にPS5本体とエルデンリングを同時に購入してPS5デビューを果たす計画を立てていましたが発売日当日(2022年2月25日)、PS5本体の品薄状態が続いています。
PS5本体を購入できません。
私の計画は脆くも崩れ去りました。
どうやら私にはまだPS5をプレイする資格はないらしい。
PS5でエルデンリングをやる気満々だったので今さらPS4版のエルデンリングなどやりたくありません。
こうなったらPS5本体が買えるようになるまでエルデンリングも我慢しよう。
一度はそう思いました。
でも、やはりエルデンリングが気になる。
早くやりたい。
ここは一つPS4版で妥協するか?
だが、しかし、本当にそれでいいのか?
絶対にPS5の美麗グラフィックでエルデンリングをやると決めていたのではなかったか?
散々迷った末、結局PS4版エルデンリングを購入しました。
一刻も早くエルデンリングをプレイしたかったのです。
複雑な気分でゲームをスタートさせると意外に綺麗な映像で一安心。
そもそもPS5を持っていないのでPS4版とPS5版の画質を比較できません。
PS4成熟期に発売されたソフトですからPS4版でもそれなりに綺麗な画質だと感じるのは、よく考えてみたら当然かもしれません。ロード時間も一般的な長さでバグもありません。
快適に遊べます。
買ってよかった!と胸を撫で下ろしました。
肝心のゲーム内容ですが、フロムソフトウェアの前作『SEKIRO』が超高難度ゲームだったので今回も覚悟して臨みましたがSEKIROと比べると、かなり甘口になっています。
もちろん死にゲーなので普通に死にますがSEKIROほど狂った難度ではなく、一人のボスを倒すまでに2~3時間かかるなどということはありません。数回死んでコツをつかめば何とか倒せるレベルになっています。
この難易度には賛否両論あると思いますが個人的にはこれくらいの難度が楽しく遊べて丁度良い。
雰囲気はほとんどダークソウル3と同じです。ダークソウル4として発売されても全く違和感はありません。
主人公のレベルと武器のレベルを上げていけば確実に生存率と攻撃力がアップしていくので時間さえかければ誰でもエンディングまで到達できそうです。
ダークソウル3との大きな違いはオープンワールドになったこと、馬に乗れるようになったこと、霊体を味方として召喚できるようになったことの三つです(小さな違いは他にもいろいろあります)。この三つの新要素が全て高い次元で功を奏しているため、エルデンリングはとても素晴らしい作品に仕上がっています。
まず特筆すべきはオープンワールド化。これが本当に見事としか言いようがありません。
ダークソウルシリーズは僅かな例外を除き基本的に建物の中をウロウロするだけなので閉塞感がありましたがエルデンリングは建物の中だけではなく外の世界もすべて描かれています。
雄大な大自然、荘厳な建築物、広大な大地。それらがシームレスにつながっています。
驚くべきことに地上の世界だけでなく地底世界もあり、もう、わくわくどきどきが止まりません。
まさに世界を股に掛けた大冒険。
快適な旅を約束してくれる乗り物が二つ目の新要素『馬』です。
動きに独特のクセがあり、決して操作しやすいわけではありませんが、乗っていて無性に楽しい馬です。
この馬の素晴らしいところは騎乗したまま普通に戦闘ができる点。
騎乗したまま戦闘できるゲームは過去にもたくさんありましたが、一応戦闘可能というレベルのものが多く、気合を入れて本格的に戦う場合、下馬する必要がありました。でもエルデンリングの場合、下馬しなくても大丈夫。
もちろん降りたい人は降りて戦ってもかまいませんが騎乗したまま戦った方が有利な場合が多いです。
場所によっては強制的に下馬させられますが騎乗したまま戦える場所も沢山あります。
オープンワールド化により屋内だけではなく屋外にもボスキャラが登場しますが、騎乗していれば駿足を活かしてボスと戦わずに素通りすることも可能。
これには心底びっくり!
今までのフロムゲーではボスキャラのいる場所に入ると出入り口が封鎖され、監禁状態で死闘を強要されるという恐ろしい展開が待ち受けていました。まるで『魁!!男塾』の世界です。
エルデンリングも屋内では同じような展開になりますが屋外でボスキャラと遭遇した場合『戦わずに引き返す』『ボスの横を駆け抜けて先に進む』『騎乗したままボスと戦う』という選択肢が増えました。
これで生存率がアップ!戦闘の奥深さもアップ!
そして三つ目の新要素『霊体の召喚』は反則級に強力です。
マルチプレイ中は召喚できませんがソロプレイ中は強敵のいる場所で共に戦ってくれるNPCを呼び出すことが可能。
序盤は弱い霊体しか召喚できませんが中盤になると強い霊体を召喚できるようになります。
そいつを召喚すればマルチで協力者を集めなくてもボスキャラを楽々倒せるようになります。
マルチをやりたくない気分の時に重宝します。
もちろんマルチでワイワイ遊びたい人や何者にも頼らず自分一人だけで戦いたい人は霊体を召喚しないという選択肢もあります。気分によって遊び方を選べるのが素晴らしい。
フロムゲーといえば難解な設定、重厚な世界、謎めいた登場人物、不気味な敵、手に汗握る死闘などが魅力ですがエルデンリングもそういった魅力をしっかりと受け継いでいます。
相変わらずストーリーは難解すぎて意味不明。
ゲーム内用語も一々難しい。そもそも『褪せ人』って何?
解説を読んでもよくわからん。よくわからんが何だかしびれる。
これぞフロムゲー。
通常、ゲームに登場する女性といえば美女か美少女と相場が決まっていますが、フロムゲーの場合そうはいきません。
登場する女性は只事ではない雰囲気を纏った人ばかり。
たとえば主人公の導き手となるメリナ。パッと見は美女で、「わぁ、綺麗な人だなあ」と見惚れそうになりますが、よくよく見ると左目が潰れ、凄みのある顔をしています。
プレイヤーは皆、一瞬たじろぐことになるでしょう。
次に登場するラニという名の魔女もパッと見は美少女ですが、よく見ると今度は右目が潰れています。
肌の色は青。よくよく見ると顔が二重になっているような……。
そして腕が……四本!?
手首も何だかおかしい。
ひょっとして人形……なのか……?
もうわけがわからない世界。
ミリセントという朱い髪の美女は右腕を失くし、さらに全身腐敗の病に侵されています。
登場する女性キャラは全員こんな具合で、世の美少女好き男子どもを容易には寄せ付けません。
こういう姿勢もフロムゲーらしくて良い。
エルデンリングはフロムゲーの集大成とも言える作品で、なおかつ最高傑作だと個人的には感じました。
そんなわけでPS4版エルデンリングは最高に楽しいです。
PS5なんて当分いらない。
負け惜しみではなく、本気でそう思っていましたが、とある土曜日、散歩がてらにフラリと立ち寄ったゲームショップでPS5本体が販売されているのを目撃して
おったまげました。
しかもそれは私が欲しかったディスクドライブ搭載PS5です。
私は興奮して店員に尋ねました。
「このPS5は定価で買えるんですか?」
店員の方は微笑を浮かべながら答えました。
「はい、定価です。今日一台だけ入荷しました。これもすぐに売れてしまうと思いますよ」
私はさらに激しく興奮。
「これから銀行に行ってお金を下ろしてくるので、それまでキープしてもらうことはできますか?」
そうお願いしてみると店員の方が快く「わかりました。お待ちしています」と言ってくれたので銀行にダッシュ。
ついにPS5本体を購入できました。
エルデンリング発売から15日後の出来事です。
PS4版エルデンリング(ディスク版)はPS5アップグレード対応なので、PS5本体にPS4版エルデンリングのディスクを挿入すればPSストアでPS5版エルデンリングを無料ダウンロードできます。
PS4版のセーブデータも引き継ぎ可能。
これで超美麗エルデンリングがプレイできる!
期待に胸を膨らませPS5版エルデンリングを開始。
第一印象は「あれ?」です。
それほど大して変わらないような気が……。
よく見ると確かにPS4版より色が鮮やかになり、景色もくっきり見えますが超美麗グラフィックを期待していた私はがっかり。PS3からPS4に買い替えた時は凄まじい変化を感じましたがPS5にはそれがありません。
ひょっとして、その資格はない?
私には超美麗エルデンリングをやる資格はないのか?
使っていたテレビがフルHDだからかもしれないと思い、数日後4Kテレビも購入しました。
これでPS5の真の実力が発揮される!
超美麗グラフィックのエルデンリングがいよいよ!
そう思いながら4KテレビでPS5版エルデンリングをプレイ。
第一印象は「あれ?」です。
それほど大して変わらないような気が……。
確かにフルHDテレビの時よりさらに色が鮮やかになり、景色もさらにくっきり見えますが、別物のように美しくなることを期待していた私は、またしてもがっかり。
どうやら期待が高すぎたようです。
結論。
エルデンリングはPS4でも十分楽しめます。
PS5本体を持っていない人は無理をしてPS5本体や4Kテレビを買う必要はありません(あくまで個人の感想です)。
もちろんPS5でしか遊べないゲームをやりたい人は買うしかありませんがPS5で遊びたいゲームは今のところエルデンリングだけという人は急いでPS5を買う必要はありません。
とりあえずPS4版エルデンリングを購入してPS5本体が普通に買えるようになったら無料でPS5版エルデンリングにアップグレードするという手もあります。
ただし、この場合、注意すべき点が一つあります。
PS4版エルデンリングのセーブデータはPS5に引き継ぐことが可能ですが、トロフィーデータは何故か引き継がれません。そのためトロコンを目指す場合、PS4で取得したトロフィーは二周目で取り直す必要があります。
私もPS4で取得したトロフィーは無効状態だったので二周目でトロコンを達成しました。
(2022年3月の状況です。現在のトロフィーデータ引き継ぎがどうなっているのかはわかりません)
とにもかくにもゲームそのものは最高に面白いのでフロムゲーが好きな方は絶対にやるべきです。
フロムゲー未経験の方は入門用ソフトとして最適なので興味がある方はぜひプレイしてください。
PS4版、PS5版どちらも楽しめます。
ほとんど欠点のないゲームですが、無理をして欠点を挙げるとしたらマルチプレイで協力者を召喚する際、召喚に失敗することが多い点(現在の状況は分かりませんが私がプレイしていた時は頻発しました)。
協力者を召喚する場合、地面に描かれた金色の召喚サインを調べることになるのですが、地面に金色のサインが沢山あっても次々と召喚に失敗していき、そうこうしているうちに召喚サインがすべて消えてしまうというケースが多々ありました。
「お前にはマルチをやる資格はない!」
そう言われているような気がして意気消沈。
やぶれかぶれで一人でボス部屋に飛び込み、何度玉砕したことか……。
もちろん召喚に成功する確率の方が高いですし、現在はアップデートでより改善されているはずなので、これから始める方はゲーム発売日直後より快適にマルチプレイができると思います。
評価
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