史上最高の猫ゲー
最初に断言します。
ストレイは現時点で史上最高の猫ゲーです。
過去に発売された、どの猫ゲーよりもリアルな猫が登場します。
とにかく猫の描写が素晴らしく、その猫を思い通りに操作できるところが最高！
たまらん！
生きていて良かった！
という感じです。
御覧のとおり主人公の茶トラ猫は、じつに可愛らしい姿をしています。
左スティックを少し傾けるとゆっくり歩き、大きく傾けるとトコトコ小走り。
そこからさらにR2ボタンを押すと全力疾走します。
なにも操作しないで放置していると、座り込んだり、横になったり、顔を洗ったり、後ろ足で首を掻いたり、大きく伸びをしたりと猫お得意の動作を見せてくれます。
○ボタンを押すと「ニャー」と鳴きます。
ニャーにもバリエーションがあり、「ミャー」「ミャゥ」「ニャル」「ングヮゥ」「ニャ……」「ニャアォォ」など様々。○ボタンを押せばいつでも、めくるめく猫語の世界へいざなわれます。猫語が理解できないのが残念ですが、それぞれの鳴き声に切実な響きがあり、意味がわからなくても聞くたびに激しく心を揺さぶられます。
高い所に飛び乗ったり、屋根から屋根へジャンプしたりする時のしなやかな身のこなしは、まさに猫。
缶を落とす手つきには思わず見入ってしまいます。
そんなわけで猫が好きな人なら大喜びで何百時間も周回プレイしそうなゲームですが実際は、そうなりません。
私自身、ブログの自画像が猫になってしまうほど猫が大好きですが、一回クリアしたら「もう当分やらなくてもいいや」と思いました。
そもそもプレイ中、基本的に退屈でした。途中で辞めたくなったことも度々ありました。
それでも頑張って最後までプレイしたのは「猫好きゲーマーとして絶対にクリアせねばならぬ」という変な使命感があったからです。
おそらく、多くの猫好きゲーマーが同じように感じたはず。
史上最高の猫ゲーを、なぜ猫好きゲーマーたちが楽しめないのか？
理由はハッキリしています。
とてもリアルな猫を操作できる点は素晴らしいですが、ゲームとして総合的に評価すると、ありきたりなアクションアドベンチャーゲームで、正直に言うとあまり面白くありません。
全体的に不穏な雰囲気が漂っており、プレイしていると陰鬱な気持ちになってくるのもマイナスポイント。
猫はカワイイのにゲームの世界はダーク。そのギャップが何とも居心地が悪い。
ゲーム開始地点は緑が生い茂る美しい場所ですが、先に進むほど雲行きが怪しくなっていきます。
サイバーパンクなスラム街は大好物なので問題ありませんが、そこからさらに先へ進んだ場所で絶句。
その光景を初めて見た時、私は今まで感じたことのない恐怖を味わいました。
まさかストレイで、こんなものを見せられるとは夢にも思っていなかったので心のダメージがでかい……。
中盤になると戦闘要素が加わりますが戦闘に負けると、なんと！主人公の猫が死んでしまいます！
マジか……。
もう、画面を見つめて固まるしかない……。
癒し系ゲームだと思っていたのに実際は悪夢のような世界。
二度と猫を死なせたくない。
そう思ってコントローラーを握りしめる指に力が入ります。
ブラッドボーンやセキロをトロコンしている私が本気を出せば、こんなゲームは簡単なはず！
ゲームばかりやっているゲームバカ系ニュータイプの実力を今こそ見せてやろうじゃないか！
そう自分に言い聞かせて再挑戦しましたが同じ場所でまたしても死亡。
そういえばブラボやセキロも数えきれないほどの死を乗り越えて、ようやくトロコンしたのを思い出しました。
初めて乗ったガンダムでザクを撃破してしまうアムロ・レイとは根本的に違う人種だということを痛感。
コツさえ掴めば簡単ですがコツを掴むまでに何度も猫を死なせてしまい、気が付くとトロフィーを取得していました。どうやら9回死ぬとゲットできるトロフィーがあるらしい。
それを知ってさらにショック。
私はヘッポコなので普通に死んでトロフィーを取得しましたがアムロ・レイのような凄腕プレイヤーの場合、トロコンを成し遂げるために、わざと9回死ななければいけないということです。
何故そんなトロフィーを作ったのか？
微かな怒りを覚えます。
期待していたサイバーシティも想像していたより狭くてがっかり。
狭いわりに道に迷うので腹立たしいことこの上ない。
そして個人的に最も気に入らなかったのは猫の寝顔。
猫の寝顔がとても不自然。
どうしてこうなった！？と叫びたくなるほど微妙な寝顔です。
猫の寝顔が大好きなので、あの寝顔だけは、ちょっと受け入れ難い……。
寝顔以外の描写が見事なだけに残念です。
あれこれと文句を書きましたが決して買ったことを後悔しているわけではありません。
現時点で最高の猫ゲーであることは間違いなく、エンディングも素晴らしく、猫とドローンの友情にも心を打たれました。
クリア後は爽やかな気分になれます。
ゲームとして純粋に評価すると★3が妥当かと思いますが、猫の描写が素晴らしいので★4！
ちなみにパッケージ版は2022年9月現在、輸入盤しかない模様。DL版がPSストアで発売中です。
評価
